犬の認知症、犬の痴呆について

高齢犬がなりやすい病気。そして犬の認知症

犬が高齢になると、なりやすい病気として次のようなものがあります。
 心不全、認知症(痴呆症)、外耳炎、皮膚炎、膀胱炎など

 

いずれの病気もかからないでほしいものですが、高齢の犬ということで、犬の認知症は、気になる病気の一つです。

 

 

犬の認知症とは?

 獣医学博士 内野先生によれば、犬の認知症とは、次のように定義されています(出典1)

 

「高齢化に伴って、一旦学習することによって獲得した行動および運動機能の著しい低下が始まり、飼育困難になった状態」

 

 人間の場合、最近は、痴呆とは言わないようになりましたが、犬の認知症とは、上記のような状態、つまり、犬が痴呆症、ぼけてしまうことです。

 

 

犬の認知症の症状

  犬の認知症の主な症状としては次のようなものがあります。

 

・お漏らしをする。
・他の犬に関心を示さなくなる。
・昼でも寝ている時間が長い。一日の大半を寝て過ごす。
・名前を呼んでも反応しない。
・食欲が異常にあるが、太らない。
・狭いところに入って、出られなくなる。
・夜鳴きをし続ける。
・同じところを回り続ける。

 

あなたの愛犬で、上記にあてはまるものがいくつかある場合、犬の認知症の可能性があります。犬の認知症かどうかをよりはっきりさせるには、次項で示すような「認知症テスト」がありますので、試してみるといいでしょう。

 

 

犬の認知症テスト

 犬が認知症かどうかを判断するための簡単なテストがあります(出典1)。愛犬が認知症にあてはまるかどうか、下記のテストを実施してみてください。

 

1.夜中に意味もなく単調な声で鳴き出し、止めても泣きやまない。
2.歩行は前のめりでトボトボ歩き、円を描くように歩く(旋回運動)
3.狭いところに入りたがり、自分で後退できないで鳴く。
4.飼い主も、自分の名前もわからなくなり、何事にも無反応。
5.よく寝て、よく食べて、下痢をせず、痩せてくる。

 


判断:1項目があてはまる → 認知症の疑い。
   2項目以上があてはまる → 認知症と判断する。

 

より詳しく知りたい場合は、100点法という診断法もあります。
これではわかりずらい、という場合はかかりつけの獣医師に診断してもらいましょう。

 

 

犬の認知症の予防

 さて、犬の認知症を治療できるといいのですが、残念ながらまだ治療法は確立されていません。
しかし、犬の認知症の症状があまり進んでいない初期の状態であれば、予防の可能性があります。

 

(1)食事編

 DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの魚の不飽和脂肪酸を多く含む食事を与えると、かなり犬の認知症の症状の改善が見られるという報告があります。

 

→ DHAサプリメントを実際に買ってみた。

 

 <DHAの働きとは>
人間用のサプリメントでもよく聞くDHAですが、どんな働きがあるのでしょうか?次のような作用があると報告されています。

 

・神経系の発展、修復をする。
・学習機能の向上
・脳内神経細胞(ニューロン)の再生と促進
・制ガン作用
・抗アレルギー作用

 

つまり、DHAは脳の神経細胞の活性化をサポートする働きがあります。人間だけでなく、犬の場合でも効果が期待できる、というわけです。

 

 

(2)運動編

 犬が高齢になると、散歩に出かけない日も増えてくるかもしれません。老犬になってしまったからと散歩に連れていかないようにするのではなく、体調をみながら可能な限り外に連れ出すというのがいいと思います。
 また、いつものお散歩ですが、ときどきコースを変えるなどして、刺激を与えるのもいいでしょう。

 

 

 

(出典1) 内野富弥, JVM 獣医畜産新報 vol.58,No.9,776-774,2005
(出典2) 寺田隆ほか、脂質生化学研究,38,308-,1996